あなたを愛する者
4.手紙の差出人
「あれー?杏、どこ行ってたのぉ?
教室に居ないし、カバンも無いし、帰っちゃったのかと思った」
職員室から出て来た私に、ミカが声を掛けてきた。
「あー、ごめん。
あれ?ミカこそ、リク先輩と帰るんじゃなかった?楽しみにしてたじゃん」
私は誤魔化すように、ミカに話をふった。
「そーなのぉ!」
聞いて聞いてというように、ミカが寄って来た。
「リクの奴ぅ!
今日は部活が休みだから遊びに行こうとか言ってたくせに、急に部活出ないといけないとかで、ドタキャン!もう、いつもそう!
私より部活の方が大切なんだよー」
こういう話しも日常茶飯事だ。
「ぷっ、相変わらずだねぇ。
リク先輩はサッカー部のキャプテンだもん、仕方ないんじゃない?」
「そうだけどさぁ……」
納得いかないといった感じのミカ。