あなたを愛する者
「だってぇ、杏も手紙の差出人には興味があるでしょう?」
「まぁね……」
だから毎日、井関に訳してもらってるわけだし。
「もし差出人が入江先輩なら、ずいぶん杏に惚れ込んでるってことでしょう?
これは、このままにしておくのは、もったいないわよ!」
乗り気なのはミカの方らしい。
私はため息混じりに、薄いブルーのグラスの水を口にふくんだ。
なんだかわからない展開に、口がカラカラだ。
「リクに言えば、セッティングしてくれるから!
んねッ!」
「う、うん……」
ミカの迫力に圧倒され、つい返事をしてしまっていた。