あなたを愛する者


「朝からため息かぁ?」






ドキン





振り返ると、井関先生が立っていた。





「なんだ井関先生か、ビックリするじゃん」





井関先生だからビックリしたんだけど……。







「涼しくしてあるから、さっさと始めるぞー」





「はーい、わぁホント涼しい!ラッキー」






私は相談室と書かれた部屋に飛び込んだ。






本当は補習も教室でするんだけど、2年の英語は私だけだからと、職員室に隣接している相談室ですることになった。






先生はその相談室のクーラーをつけて、涼しくしてくれていたのだ。






「ま、二人だけだから、特別な」





先生はそう言って笑った。





< 68 / 242 >

この作品をシェア

pagetop