あなたを愛する者
「いらっしゃいませー」
今日はミカと泉屋で待ち合わせ。
一番暑くなる午後。
外から店の中に入ると、クーラーのほどよく効いた店内が、私を生き返らせる。
「杏、遅いー」
先に来ていたミカが、私を呼んだ。
「ごめん、ごめん」
昨日の夜、ミカからメールが届いた。
【入江先輩が杏のこと気にしてるらしいよ。
会ってないんだって?】
入江先輩は、ミカの彼氏、リク先輩に相談したのだろう。
いつまでもミカに黙っていることは出来ない。
私は自分の気持ちをミカに話す決意をした。