オトナになるまで待たないで
そうだ。

不自然。

それだ。



「あの人は…しょっぱなから私を嫌ってた」

「そんな事ってある?」

「分かんない。隠してるけど、ついついそれが表に出ちゃうって感じがする」



ゴウは不満げだ。

「心配してはるだけに見えるけどなぁ」

「辞めさせたいのかも。学生は使えないから」

「そんな事ないよー。困るんは松井さんやろ」

「だから、余計に嫌うんじゃない?」


真剣な私の口調を聞いて、さすがにゴウも考え込んだ。


しばらくしてゴウが口を開いた。

「それってな…逆やったら…どない…」



声が小さくて、よく聞こえない。


「なに?」

「いや。ちゃうわ。海がそこまで言うてんのに」



スーパーに着いた。


「何食べたい?」

「肉っ!」

「具合ええんかいな?」

「うん。肉っ!」


ゴウが笑う。

「よっしゃ。ほんなら、すき焼きにしよ!」


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