オトナになるまで待たないで
電車の中では、『知り合いの先生』としか聞いていない。


「先生ってさ、そっちの先生?」

「う~ん。トンちゃん先生はゲイではないねん」



なら…何の先生?


「あ、ここや。こんにちわー」

インターフォンも押さずに、妃乃がドアを開ける。


年代物のドアの横に、『富田』という表札がある。


「トミタさん…」

「トンダって読むねん」

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