オトナになるまで待たないで

ぼんやりしながら、バイト先に着いた。

店長が入れ違いに出てゆくところだった。


「お早うございます」

店長は、無言で私をじっと見た。

「何ですか?」

「最近、派手な服着るよな」



え・・・?


派手????


自分の制服を見下ろした。


これぞ県立!な制服ですけど…


「私服だよ」

うなるように言われる。



何で、怒ってんの?

「みんな貰い物ですけど」

「新品に見えるけどな」

「妃乃ですよ。ネットで買うんで失敗が…」


店長は、最後まで聞かずにエレベーターへ乗り込んで行った。
< 234 / 472 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop