オトナになるまで待たないで

「うーん?名前言ってみて?」


さっきまで、魚釣ってたのにな。



「言えないかな?」

「サカナ!」

「魚…食べたいのかな?」


女の人が近づいて来て、肩を叩いた。

「お名前、言えますかー?」

「丸のところずずっていえんだ」



顔を上げると、みんなもう笑っていなかった。


先生が早口で、お姉さんたちに何かを言った。

「マツイさん…ちょっと」


目の鋭いお兄さんが、連れて行かれた。
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