オトナになるまで待たないで

オジサンが、苦い顔をした。


「坂下さんは、おとなしい生徒でしたよ。

友だちも作らないで、いつも疲れたようにしていました。

私は、『この子は大人だから同年代とは話が合わないんだろう』と思っていました。

誰にも迷惑や心配を掛けたりする子じゃなかったんです」


オジサンがメガネを外した。

私は手を伸ばしたけど、トウマくんの手に邪魔された。

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