オトナになるまで待たないで
熊谷くんが荒い息をつく。


大丈夫?と声くらいかけ……


「ああ~イヤッ!だからメスは嫌やねん!」



あ…アレ?


「ちょっとアンタ!ボケっとせんと止めぇや!」


え…え?


「あのまんまやったら、ホンマ鼻へし折るところやないの!」



ポカーン。

オネエだ。

その声は、紛れもなくオネエだ。



マジマジと顔を見つめる私に、熊谷くんは金切り声を上げた。



「ナニ!?」

「…へし折ってやれば良かったのに」



今、私に言えることはそれだけだ。

ほら……チャイも鳴ってる……
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