オトナになるまで待たないで
夕方5時になった。

青木さんが上がる時間だ。

仮眠している店長は出てこない。


「店長、起こしてこようか?」

「あ、いえ。様子だけ見てきます」



リクライニング席に行き、かがんで中の様子を伺う。

座っている後ろ姿は見えたけど、顔が見えない。

脱力しきった腕が、肘掛けに投げ出されている。


そっとカウンターに戻る。

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