オトナになるまで待たないで
「付き合ってると思われるし!」

「付き合ってよ」


ひやああああ…!

と悲鳴が上がった。



うおおっ!

と野太い歓声も上がった。



「つ…つ…付き合わないよ!」

「付き合おう」


王子が笑いを含んだ目で、私を見ている。

ふざけんな!


そう思うんだけど、それ以上言葉が出てこない。


この人は、なんて綺麗なの……

柔らかそうな髪。

涼やかな目元。

繊細そうな鎖骨。



先生が入って来た。

教室中が興奮状態にあるのを見渡し、私に目を止めると、すっとんきょな声で言う。

「どうした?」

「あ……あの」

「愛の告白か?」


教室は、静まり返ったままだ。

「あと、腕どうした?」



だから……先に腕の心配してよ……
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