冷酷な彼は孤独な獣医
たとえ叶わぬ恋でも
「龍!!チップの様子がおかしいよ!!」


それは今から1週間前。


午前中の診療が終わり、チップの様子を診に行った時だった。


「今から、帝王切開をする。お前、立ち会うんだろ?」


「うん!」


龍がチップを手術室へ連れて行くと、


桐島さんは急いで準備に取り掛かかる。



あたしは、そんな2人の邪魔にならない場所に立っていた。



そして準備が整い、龍が桐島さんに言う。


「じゃあ始めるぞ」


「はい」



あたしは、龍がチップのお腹を切開しようとした瞬間、目を閉じた。


やっぱり無理!!






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