冷酷な彼は孤独な獣医
最終章
家を出ると、あたしは結奈ちゃんに電話を掛けた。


「もしもし!」


元気な声で電話に出る結奈ちゃん。


「ごめん……あたし、行けなくなっちゃった……

本当……ごめん……」


「えーっ!!どうしてー!?」


「…………」


「理央ちゃん?」


「ごめんね……結奈ちゃん……」


「う……ん……」


結奈ちゃんは、それ以上なにも聞かないでくれた。



本当……ごめん。


結奈ちゃんとの電話が終わると電源を切り、

荷物が入った鞄に電話を入れると、

駅に向かって歩き出す。






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