冷酷な彼は孤独な獣医
そして龍はおばあさんの脇に行くと、

おばあさんに犬を渡した。



すると犬は、シッポを振りながらおばあさんの顔を舐め、


おばあさんは「ごめんね……ごめんね………」そう言って、犬の背中を何度も摩った。




そんな中龍は、おばあさんの肩に優しく手を置くとその場にしゃがみ、

さっきまでとは別人の様な優しい口調と表情でおばあさんに話す。



「この子は、あなた無しでは生きていけないんです。

だから、どうか元気で長生きしてください」



龍の言葉に、おばあさんは凄く安心した様な顔をし、

さっきまであんなにキツイ事ばかり言われていたのに、

まるで神様を拝む様に顔の前に手をあわせ、

涙を流しながら龍に何度もお礼を言った。





"どうか元気で長生きしてください"


そんな言葉一つで、さっきまでのキツイ言葉が全てチャラになるとは思えないけど、

龍の優しい言葉に、なぜかあたしまで安心して泣きそうになった。






でもそれが、少し悔しかった。







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