LOVE・ホテルに行こう。
「実は…出来ちゃったんだ~」


日差しの温もりが心地いい11月の半ば。
屋上で智子とお昼御飯を食べおしゃべりしていた。お腹を擦りながら私に話す智子。


「赤ちゃん?おめでとう、智子。良かったね」


「ありがとう。赤ちゃんはまだいいかなって思ってたんだけど…やっぱり、授かると凄く嬉しい」


「今、何ヵ月?予定日とか解ってんの?」


「3ヶ月。予定は6月の半ばぐらいかな」


クフフと笑う智子。


「赤ちゃん出来たの美久にも関係があるんだからね」


「どういう意味?」


「美久の電話番号を田村君が聞いてきてって時に話したじゃない。直樹が朝からって。
たぶんその時の…。計画的に作ろうって話してたから直樹とは。だからその時以外は考えられないの」


「…私、お役に立てたって事でいいのかな?」


「もちろん。直樹、本当は子供すぐにでも欲しかったみたいで凄く喜んでた。私が1年間は2人の時間を大切にしたいって言ってたから協力してくれてたけど。直樹の喜んでる姿見て私も凄く嬉しかった。だから…美久に感謝だね」


「ちょっと複雑だけど私の行動が智子に幸せをもたらしたんだとしたら良かったのかな」


あの日の事を思い出す。
あの日から私の生活も変わっていった。
私の日常に圭吾が居る。


人生は日々、変化し続けている。
良いことも悪いこともごちゃ混ぜにして。


人の繋がりは無限で
だけど大切にしたいって思う人と出会うかはわからない。


大切にしたいって思う人がいる私って幸せなんだと思う。


「あっ、ヤバい。こんな時間だ。美久、仕事、仕事」


「智子っ、走らないっ。妊婦が走ってどうするのよ。ったく、これからは走らない。解った?」


「‥はい。‥美久に説教される日が来るとは私も感慨深いよ」


「無駄口言わないでいいから。走らず急ぐよ」


2人して競歩みたいにお尻を振りながらデスクに戻って行った。



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