短編集‥*.°


緩やかな風が吹き、
ガーベラや、ハルシオン、
シクラメンなんかも揺れて。


「君は強い。大丈夫だよ。

 もしもまた、辛くなったなら、
 もう一度ここに来れば良い。
 話しかけるの、僕じゃなくてもいい。

 絶対に話を聞いてくれる。
 少なくとも、中庭の花はね。
 きっと、誰かが咲いているからさ。

 ――君のために」


ふわっと何かに包まれて、
私は意識を失って、また。


意識を、取り戻す。


起きたのは、教室で、
授業をしている最中だった。


手の甲を見る。


特に普段と変わらない、
包帯もしていない私の手だった。


騒がしい教室だから。


居眠りしている事に
気づかれなかったのかも。


だとしたら、ラッキーだ。


窓際の席、
見下ろすのは中庭の花。


君のために花は咲く、か…。


私も、そんな人間になってみたい…
いや、なりたい。


絶対に、なる。


キーンコーン、とチャイムが鳴る。


私はもう、
負けたりはしない…。


他人のために枯れる事は、
絶対にしない。


私が君のために咲かせた花を、
無駄にする事になるから。


            —完結—


…意味不明な話が多いです、私の短編。

最後の主人公のセリフ、
人によって解釈が違えばいいな…と
思い、結構 言葉選びに悩みました。

あ、補足…のようなもの…
白いガーベラの花言葉は『希望』です。
余計だったかな。

趣味度は…まあ、86%ですかね。

< 82 / 139 >

この作品をシェア

pagetop