あたしが愛した総長



優「あたしいつ退院できるの?」


龍「あぁ、医者呼ぶか」


あ、そういや目が覚めてから医師の人呼んでないじゃん


龍毅が先生を呼んで


傷などをチェックされたあたし


医「もう大丈夫そうだね。今日にでも退院できるけど、どうする?」


龍「退院する」


なぜか龍毅が即答した


そして医者の人はクスクス笑ながら


医「じゃあ、手続きしておくからね」


そう言って出ていった


優「ねぇ、今何時なの?」


龍「10時」


外が明るいから朝か昼だろうとは思ってたけど


まだ10時なんだ


優「そっか~」


龍「車呼ぶか」


ポケットから携帯を出してかけだす


きっと組員さんなんだろうな


いろいろとお世話になっただろうからお礼言わないとな





荷物をまとめて組員さんが迎えに来てくれた車に乗る


組「優梨さん、傷は大丈夫ですか?」


優「あ、はい。もうだいぶ良くなりました。あといろいろとありがとうございました」


運転席に座った茶色い髪を少しあそばせている顔のイカツイお兄さん


あら?そういや、なんであたしの名前知ってるんだろ……?
ていうか、あたしこのお兄さんの名前知らないな……


顔に出ていたのかイカツイお兄さんが


組「若が名前を呼んでたので。あと俺の名前は春樹(はるき)って言います」


優「あぁ、それで。春樹さん、これからよろしくお願いしますね」


春「春樹でいいですよ」


クスクス笑っている春樹さん


優「いやでも、あたしより絶対年上だろうし」


車の運転ができるってことは18歳は確実にいってるでしょ


しかも大人っぽいし、20歳は越えてるだろう


春「年上とか気にしないでください。さんづけで呼ばれたら、若が……」


ミラーでチラッと龍毅の顔を見た春樹さん


優「……龍毅がどうしたんですか?」


龍「呼び捨てでいいんだよ」


なぜか不機嫌になっている龍毅


頭に?を浮かべていると


春「若、不機嫌にならないでくださいよ」


クスッと笑った春樹さん


龍「うるせぇ」


優「なんで怒ってんのよ」


龍「あ?言ってやらねぇとわかんねぇのか」


優「わかんない」


龍「お前が春樹ばっかにかまってるからだろ」


ぶすっとしたままの顔で


あたしを軽く睨みながら言ってきた


これは世で言う『ヤキモチ』というやつですか




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