素顔のキスは残業後に
私の言葉に由梨さんは瞳を瞬かせる。

首を傾げた彼女を見て頭を抱えたくなった。


「えっと――……すみません。五月さんから聞いちゃって」


いけない。

五月さんに口止めされてたのに!

うわぁー、五月さん。ごめんなさい!!


こんな高級フレンチは無理でも

社食のAAAランチを御馳走させてください、ね?


反省を込めて下唇をギュッと噛み締める。
窺う様に由梨さんの瞳を見つめ返す。


でも由梨さんは特に気にするようでもなく、柔らかい笑みを浮かべた。
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