Stray Love Ⅰ 〜ソラノイロ〜
ナオはシャンパンを頼んだ。

「ひとくちだけ、付き合えよ」


まぁ、ひとくちくらいなら…

「いーけど…」


グラスに注がれたシャンパンがキレイだ…


「じゃあ、乾杯しよっか」

「なんに乾杯だよ?」


ナオが暖かい瞳でアタシを見つめた…




「咲陽、成人おめでとう」










え…!?



ナオはグラスを軽く当て、続けた。


「もうすぐ誕生日だろ?
だから、その前にしたかった。

振り袖はきっと、咲陽の両親が用意してるだろーから…

オレからはドレスで」










涙が…





こぼれた…







なんなんだよ、ナオ…

なんでこんな…





止まらない涙に、
手の甲を目頭にあてて、声なく泣いた。


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