スタートライン~私と先生と彼~【完結】

始業式は相変わらず、校長先生の長い挨拶から始まった。

挨拶も終わり、新任の先生の紹介に入った。

「新しく本校に来られた先生を紹介します」


早く終わらないかな〜。

私は退屈で下を緑のシートで覆われた体育館の床を眺めていた。

「数学を担当してくれる斎藤和寿先生です。斎藤先生は本校出身で、今年、京府大学を卒業されました」


一瞬にして、体育館がざわめく。


へぇ、あの伝説の人が教師になったんやぁ。


うちの学校から京府大学に現役合格したのは、長い歴史の中でも1人しかいない。

しかもその人は、頭脳明晰、スポーツ万能、しかも男前らしいというのを噂で耳にしていた。顔を上げて、今まさに紹介されている人物を見て驚いた。


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