スタートライン~私と先生と彼~【完結】

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「沙知これどう?」

私は今、大学での友達の喜瀬 加奈子(キセ カナコ)と水着を買いに来ている。

「パス」

加奈子が出してきたのは、グラビアアイドルが着そうな大胆ビキニ。

「え〜。沙知なら着れると思ったのにな」

口を尖らせて、残念そうに言う加奈子にため息は出るが、言葉は出なかった。


「あのね・・・」

真剣に選んでよ・・・。

「私これにしよう」

加奈子が選んだのは今年の流行の形のビキニ。

もちろんさっきのとは比べものにならないくらい控え目なもの。

そして私も同じデザインの水着を買った。


・・・隆、何か言うかな。


最近、隆と一緒にいることが多いせいか、隆の事を考えるようになった。

これは、進歩なんだろうか・・・それとも近くに居すぎて家族のようになっているのだろうか・・・?

いろいろと考えてみるが、結局答えなんて見つかるわけはない。


出発はあさって。

朝、隆が迎えに来てくれる予定。


私はたいした荷物もないのだが、一応荷造りをし始めた。


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