スタートライン~私と先生と彼~【完結】


新学期早々、木下が何やら俺に渡しに来た。


「隆、これ理香から」


珍しく無愛想に言う木下から受け取ったのは、かわいらしい文字で『笠野くんへ』と書かれたピンクの封筒だった。


「何?」

ちょっと、なんやねん・・・しかもなんでハートのシールを貼ってるねん。


木下が睨んでる・・・そんな睨まれるような内容が書いてあるんか?

お前、聞いてないんかよ・・・。俺は渡された封筒を恐る恐る開けながらも、木下の無言の圧力を感じていた。


「……」


俺は、中身を見て絶句した。


「はははっ、理香やるなぁ」


中身を見るなり木下は、笑顔になった。


ズバリ、さっちゃんの写真。

まじっすか。

あと、手紙が入っていた。


『 笠野君へ

夏休みに沙知に会えなくて寂しかったと思うから、体育祭のチアの練習をしてた時に撮ってもらった写真をあげるね。

沙知ね、何人もの男から告白されてるから、笠野君も、うかうかしてたら、沙知を取られるで!!

じゃあ、また9/27に文化祭があるから来てね。


P.S.この写真、変な事につかったらあかんで(笑)     

             理香より』


・・・変な事って。


使いたくなるくらいかわいいんですけど!

こんなミニスカート・・・他の男に見せたくない!!


かなりさっちゃん不足に陥ってたから、嬉しかった。

家に帰ってすぐに机に向かい、今朝貰った写真を見た。


全部で10枚あった写真のさっちゃんは、全てかわいかった。


細いのに出るとこ出てるし・・・・・・って俺どこ見てるんや!!


スタイル抜群!

それに美人だし。

性格もいいし。

他の男が放っておくわけないよな。


はぁ・・・。

俺は大きなため息をついた。


それにしても、

かわいいなぁ。

ふふふ・・・。

やばい。


女の子の写真を見て笑ってる俺って、かなり変態?!


ドラマとかで、ストーカーしてる奴が、自分の部屋で隠し撮りした写真を見てニヤついてるのと同じじゃねえ?


かなり怖い・・・やめよう。

勉強しよう。





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