♀ my prince ♂




…ということがありまして、
部屋に戻って玲央くんに報告中。




「…てかさ~…俺、知ってたよ」



「えぇ~!?じゃあ何で言ってくれなかったの!?」



「それは…亮に口止めされてたんだよ」



「……?亮くんに…?何で?」


玲央くんの発言の意味が私には全く分からなかった。



「未亜ちゃんには…小嶋に言わせたかったんじゃない?」




……。




「そっかぁ。亮くんって優しいねっ」


私は笑ってそう言った。




夏凛ちゃんと私は友達だから…そんな気遣いしてくれたんだね。
亮くんってば、ほんとに優しい人なんだなぁ…。



「……。未亜ちゃーん。目の前に俺いんの…忘れてる?」



「え…?」


そう言う玲央くんは少し不機嫌っぽく見える。



「あっ…ご、ごめん…っ」



「…いいって。冗談だから」



「っ…!!もう!からかわないでよっ!!」


申し訳なくなって謝ると彼はくすっと笑う。
だから私は…そんな玲央くんに背を向けた。




からかうなんて、ひどい…っ!!怒らせちゃったのかと思ったのに…。




「ふぇっ…」


すると突然、後ろから抱き締められた。



「…ごめんって。未亜ちゃんがあまりにも可愛い顔して言うもんから…ちょっとイジメてみた」



「っ…////」


耳元でそう言われたのと同時に…顔が熱くなるのが自分でも分かった。



「……んん?熱くない?顔」


玲央くんのほっぺたと私のそれがくっつく。



「……ずるいよ、玲央くん…」



「えっ?何が?」



「//……全部っ!!」



「それじゃあ分かんないんだけど」



「…分かんなくていい…」



「えぇ~…それ一番気になるんだけど」



「……言わないもん…//」




ほんとにずるいっ!!私のこと、またドキドキさせて…。
だけど…玲央くんのこの温もりは…大好きだよ…?


…なんて。絶対、玲央くんには言えないけどっ!!





< 106 / 203 >

この作品をシェア

pagetop