♀ my prince ♂
それより…さっきからすっごい気になってることがあるんだけど…。
「てか玲央くん…ここで何してたの?」
これが私がずっと気になっていたこと。
だって私たちの部屋の前にいたんだもん。
「何って……ここ俺の部屋だから」
玲央くんは部屋のドアを指差しながら言った。
「え?あ…そうなのっ!?」
私は、その発言に驚きの声をあげる。
「未亜ちゃん、何でそんな驚くの?」
玲央くんは不思議そうに聞いてきた。
「えっ…だって……こっち、私の部屋だから」
私は玲央くんの真向かいの部屋を指差しながらそう答える。
「へぇ~。真向かいって未亜ちゃんだったんだー!」
そう言う玲央くんは…とても嬉しそうに見えた。
「っ…。」
私、この顔…ずっと見ていたいかも…ッ
「うん。でね、隣が夏凛ちゃん」
私は夏凛ちゃんの部屋を指差しながら言った。
「げっ!小嶋もいんのかよー…」
夏凛ちゃんを見ながら明らかに嫌そうな顔をする。
「いるよ!悪いぃ!?!?てかさっきの“げっ!”って何よっ!?“げっ”て!!」
そんな玲央くんにキレ口調な夏凛ちゃん。
「意味はないけど、とりあえず言ってみた」
「何それ!!意味分かんないぃ~っ!!」
「分かってもらわなくたって結構、結構!」
「もうっ!やっぱムカつく~!!」
そう言って、また玲央くんの腕を叩く夏凛ちゃん。
「あ、夏凛ちゃん…!!もう止めなよー…っ」
私はそう言いながら夏凛ちゃんの攻撃を止めた。