♀ my prince ♂
smile.23

全員集合!?





「……」


玲央くんの部屋を出て長い長い廊下を歩く。
その手は…指を絡ませるように繋がれている。




この繋ぎ方…初めてした…。これって“恋人繋ぎ”って言うんだよね…?
こっちの方が…普通に繋いだ時よりもドキドキする…。指の感触までよく分かるっていうか…。




「//…」




て、っていうか玲央くん!あんなキスするなんてズルい…っ!!
しかも、やってきた本人は…まだまだ余裕って顔してるしっ!




カチャ…ッ




「…漣。」


そんなことを思っていた時、玲央くんが最初に入った部屋のドアを開ける。
すると、その部屋には…なぜか漣くんの姿があって椅子に座っていた。



「お。兄貴と未亜ちゃん」



「てか何でお前がいるわけ?」


玲央くんは少し冷たく言い放つ。



「怖っ!ただ未亜ちゃんが来るって聞いたから来ただけなのに~」



「あっそっ」


玲央くんが呆気ない返事をしたあと二人揃って漣くんの前の椅子に座った。



「…てかさー、さっき何してたの?」


漣くんは、なぜかニヤニヤしながらそう聞いてくる。



「何って何もないけど?」



「んな訳ねぇだろ?だって兄貴の部屋の前通った時、声聞こえたもん。そそる感じの」



「えぇ…っ!?」


漣くんがとんでもないことを言うものだから私は思わず叫んでしまった。



「聞くなよ!」



「しょうがねぇじゃん、聞こえてきたんだから。けどいいよなぁ~兄貴は。未亜ちゃんが抱けて」



「っておい!漣っ!!もうそれ以上言うな!」



「分かってるっつーの、冗談だし」



「っ…。」




何…?この兄弟の会話…。


初対面の時も遭遇したけど…やっぱり理解出来ない…っ!!




「じゃあ俺、あの子にしよっかなぁ~?」



「あの子…?」


私は漣くんが誰のことを言ってるのか分からなくて首を傾げて聞いてみた。





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