♀ my prince ♂




「こちらも紹介しますね。この人が父親で…―」


お母さんが紹介するとお父さんはお辞儀をした。
それを見た玲央くんも同じように頭を下げる。



「―…それと、この子が…」



「妹の美久です。中3です」


美久はお母さんの言葉を遮って玲央くんにそう言う。



「よろしくね?美久ちゃん。それより…ほんとに未亜ちゃんに似てるね」



「そ、そう…?」


玲央くんが振ってくるもんだから私は苦笑いで答える。



「うんっ」



「それより、さっきお会いした弟さんもそうだけど…兄弟揃って男前だなんて…未亜には勿体ないわね~?」



「ちょっ…!お母さん…っ!!」


玲央くんと私を比べるように見てそう言うお母さん。
そんなうちのお母さんを止めるべく私は遮ろうとした。




玲央くんに向かって、なんてこと言うの…っ!?
そんなの…私だって分かりきってるんだから…。




「そんなことないですよ。僕も同じこと思いますし」



「//…っ」


だけど玲央くんまでそんなことを言ってしまうせいで…私はもう俯くことしか出来ない。




もう…!!玲央くんまで何言ってるの…っ!?




「あら~、おほほほ…」


そんな上品な笑い方をするお母さんの声が私の耳に聞こえてきた。




普段そんな笑い方しないじゃん…!!!




『…ねぇ、お姉ちゃん!』



「えっ…!?」


小声でそう言った美久に腕を引っ張られて…
その場所から少し離れ窓際に連れて行かれた。



「…なに?」



『…玲央さんと何回ヤったの?』



『っ…!!もう!そんなこと聞かないでっ』


美久が小声だから私も小声でそう言う。



『てか漣くんに聞いたんでしょ?』



『うん、聞いたよ?確認じゃん』




確認なんてしなくていいってばっ!!!!




『けどさ…8ヶ月で2回は少ないんじゃない?』



『だから!もう言わないでって言ってるでしょ!?』




何この子…。何がしたいの…?
全く読めないんですけど…っ!!





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