♀ my prince ♂




「そうだ、未亜ちゃん。さっきの話…」



「あ…ううん、また今度でいいや。急ぎな話でもないし…」



「そう?ならいいんだけど…」



「うん…」




歩実ちゃんがいる前で…そんな相談なんて出来ないよ…。




「何なに…?未亜ちゃん、何かあったの?」


私たちのやり取りを見て歩実ちゃんがそう言った。



「何かねー?さっきずっとボケっとしてててさー。だからどうしたのかと思って」



「そうなんだ。未亜ちゃん大丈夫?もしかして…玲央と何かあった?」



「えぇ…っ!?そ、そんなことないよ!?普通、普通だよ…?大丈夫…っ」


歩実ちゃんの口から出た“彼の名前”に私は驚きながらそう答えた。



「…そっかそっか、ならよかった。あっそうだ、夏凛ちゃん。さっき学級委員の…――」



「……。」




もう私、何やってるの…?歩実ちゃんは普通に話してくれて優しい子なのに…。
私がこんな気持ちじゃ…いつまで経っても普通になんて出来るわけないじゃん…。




そう思いながら残りのご飯を口へと運ぶ。



「えぇ~っ!?それは嫌だなー。未亜ちゃんもそう思わないっ!?」



「へっ…!?何が…?」


突然の夏凛ちゃんの大声に気づき顔を上げた。



「未亜ちゃん…話、聞いてなかった?」



「ぅ、うん……ごめん…」


夏凛ちゃんに図星をつかれた私は申し訳なく謝る。



「ううん、もういいって。

 でね?うちのクラス、次の授業が自習になるらしいんだけど…自習プリント出さないと出席扱いにしてくんないんだってー!だから。それって嫌だよねー…って話。」



「あぁ~…うん、それ分かる…」


夏凛ちゃんの説明で何を話していたのかが分かりそう答えた。



「でしょ、でしょっ!?何で自習なのにそんなことするんだろ…って感じ!」



「うんうん、だよね~!!」


歩実ちゃんが夏凛ちゃんに賛同した時―。





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