♀ my prince ♂
after prince

2年越しの言葉




―春。


玲央くんがアメリカに留学してから2年の月日が経ち…今日いよいよ帰ってくる。




もう離れなくていいんだぁ…。




そう思うだけで私は朝から落ち着かない。




♪~♪~




そんな時…携帯の着信音が鳴った。



「…はい、もしもし」



『あ!未亜ちゃーん?』


そう言ったのは玲央くんのお母さん。



「はい、そうですけど…」



『突然ごめんなさいねー?それより今日、玲央のお迎えに行くでしょ?』



「はい、そのつもりです」



『そうよね~。だと思って!迎えの車出しておいたから…それに乗って行ってきてね?』



「え…!?い、いいんですか…っ!?」


突然すぎる提案に私は戸惑ってしまう。



『遠慮なんかしなくていいのよ~。それにもう車出しちゃったあとだし』



「あ、はい…ありがとうございます…っ」



『いいの、いいの!じゃあね~』


そう言うと電話が切れた。



「……」




玲央くんのお母さん…すっごいハイテンションだったなぁ…。
まぁそれもそっか。自分の家族が帰って来るんだもんね…?


私だって嬉しいのに…そんなの嬉しいに決まってるよね。




それからしばらくして…家のインターホンを鳴らす音―。




「ぁ…宮崎さん。おはようございます」



「おはようございます、未亜様。お迎えに上がりましたので…お車へどうぞ。」


玄関のドアを開け、お迎えに来てくれた宮崎さんに挨拶をする。
すると彼は私よりもずっと物腰柔らかく挨拶をしてくれた。



「あ、はい…ありがとうございます」



そして、それに乗り込むと…車は空港へと向かって走り出した―。





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