♀ my prince ♂




ドキッドキッドキッドキッ…




「…ごめんね?未亜ちゃん。関係ないのに巻き込んじゃって…」


そう言う玲央くんの手が私の口から離れた。



「へっ……ううん…」




なん、だろう…?



“もっとこのままでもいいな…”って思ってしまう、この感じは…。




「……あっ!てか重いよね?ごめん、降りるっ」


そう言って立ち上がろうとした。



「いいって。重くないもん」


だけど…玲央くんは私の腕を引っ張って、またそこに座らせる。



「えっ…でも私…用事があるから…」


私は、そんな玲央くんに振り返った。



「あ…そうなんだ。じゃあ教室で待ってる…いい?」



「うん…いいよ」



「ありがとう。絶対来てね?」


笑顔でそう言う玲央くん。



「っ……うん…」



「じゃあ……」



「っ!!……ぅわぁ…っ!!」


玲央くんはそう言ったと同時…
私の腰を掴んで立ち上がらせた。



「ごめん。ビックリさせちゃった?」


そう言いながら玲央くんも立ち上がる。



「あっ…うん。ちょっと…」



「そっか。ごめんね?それじゃあ、またあとで」



「うん…またね…?」



私たちはその場を離れて別々の方向に歩いていった――。




何で玲央くんの笑顔は…あんなにもいいんだろう?
何回見ても見飽きない、っていうか…。



やっぱりそれは…玲央くんが王子様だから、なのかな…?





< 24 / 203 >

この作品をシェア

pagetop