♀ my prince ♂




―それから。


夏凛ちゃんとしばらく他愛もない会話が続いた。
その会話が一段落すると…




「…あのね、夏凛ちゃん」


私は口を開いた。



「なに~?」



「あの…ちょっと聞いてもらいたいことが…あるんだけど…」



「私でよければ何でも聞くよ?で…どうしたの?」


夏凛ちゃんは私を真っすぐ見る。



「…私……何か変なの…っ」



「変っ!?って、どんな風に?」


少し驚きながらもそう言う夏凛ちゃんの顔は心配そうに見えた。



「何かね…?玲央くんの笑顔見ると…胸がドキッて、するの…」



「うん。…それで?」


私の話に夏凛ちゃんはずっと優しい眼差しを向けてくれている。



「でね…?ずっと考えてたんだけど…何でなのか全然分かんなくて…何なんだろう?これ…」



私は夏凛ちゃんに今日、玲央くんに感じたことを全て打ち明けた。
初めて体験したことだったから…言わずにはいられなかったの…―。




「それ……好きなんじゃない?」



「えぇっ!?そうなのっ!?」


夏凛ちゃんの発言に私は声を張りそう言った。



「私は未亜ちゃんじゃないもん!本当に好きなのかは分かんないよっ」


だけど、そんなにも驚く私を見て…夏凛ちゃんにはこう言われてしまった。



「あっ、そっか…そうだよね…」


そんな私は恐縮してしまう。



「う~ん。でも…そうゆうことも考えてみたら?」



「うん…」




“玲央くんを好きかもしれない”かぁ…。





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