♀ my prince ♂




「それはー…玲央に聞いてたからね」



「玲央くん…?」




え…玲央くんを知ってる…!?




「うん。あぁ~俺…玲央の幼なじみ。渡部 亮(わたべ りょう)って言うんだ。よろしくね?」


この彼・渡部亮くんは、にっこり微笑んだ。



「ぁ、うん…こちらこそ」




そうだったんだ…!!!


玲央くんって…幼なじみがいるんだ…!




「てか…亮って呼んでいいよ?」



「へっ…」



「その代り俺も…未亜ちゃんって呼んでいい?」




この流れ…玲央くんの時と同じやつ…。




「えっ、と……」



「玲央はよくても…俺はダメなの…?」


私がすぐに答えを出せないでいると…
そう言って、ものすごく見つめてくる。



「っ…」




私…


こうゆう見つめられるのダメだ…。
きっと弱いんだと思う…。



だって…――




「い、いいよ…?」



気づいた頃には…OKの返事を出しているんだもん。



「ほんとに?」



「ぅ、うん…」



「ありがとー!」



「っ……!?!?」



そう言う笑顔の亮くんが近づいてきて…
私のほっぺにキスを落とした――。




えぇっ!?私…またキスされたの…?




「今のはお礼ってことで。じゃあね」


そう言ったあと亮くんは去って行った。



その時、近くにいた女の子たち(ファン?)が
きゃーきゃーと騒いでいる声も聞こえてきた。




「未亜ちゃんって…よくキスされるね?」


今の一部始終を見ていた夏凛ちゃんにそう言われる。



「えっ!?あっ…そうだね…」



「もうーダメだよ?隙があるんじゃない?」


心配しているような声で言われた。



「え…そう、なの…かな…?」




自分では…そうは思わないんだけど…。





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