壊れたココロ


「ほらっ帰るぞ。」


海斗はそう言うとあたしの家の方向へ歩き出した。


少し前まで夕焼け空だったのが、いつの間にか辺りは暗くなっていた。


「帰るって、海斗方向違うじゃん!」


「言っただろ、ランニング途中だって。」


そう言うと海斗はボールを蹴り始め、スタスタと歩き始めた。そういったところがまた海斗らしいなと思う。


気持ちが一気に晴れたあたしは、ボールを蹴りながら歩く海斗にちょっかいを出すように、横からボールを蹴って邪魔したりとなんだかテンションが上がっていた。


こんな気持ちになれたのも海斗のおかげだ。


今日の海斗には本当に心から感謝の気持ちでいっぱいだった。


< 67 / 104 >

この作品をシェア

pagetop