【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?


「あの……どちら様ですか?」


『俺だよ、祐馬!』


湊じゃなかったことに、ちょっぴりホッとしたような、ちょっぴり残念なような、そんな複雑な感情になる。


「あ、あぁ! 祐馬くん! どうしたの?」


『いやー、湊のやつ携帯学校に置いて帰っちゃってさ』


『湊』

その言葉に、胸が切なく締め付けられる。


「そう、なんだ……」


すると、祐馬くんのいつものおちゃらけた喋り方じゃない、1トーン落とした真剣な声音が聞こえてきた。


『湊に婚約解消しようって言われたんだって?』


「え? なんでそれを……」


『湊に聞いたんだ。あいつ今日変でさ。心ここにあらずって感じだったから聞き出した』


「そうだったんだ……」


私が学校で見た湊は、いつもどおりのクールな彼だったのに。

湊がどんな気持ちでいるのか、ますますわからなくなる

< 139 / 238 >

この作品をシェア

pagetop