ブラウニーと唐辛子
幼い仕草は、当人にとっては真剣らしい。
しかし、傍から見ると可笑しい。
「ははは、愛乃……おもしろ。」
つい、笑う。
「なにがー?」
首を傾げて愛乃は言った。
「あ、そうだ!」
はたと思い出して愛乃は笑った。
「あのね、あのね!」
そう言いながら鞄からブラウニーを出す。
「さっきね、おばちゃんがくれたのー!!わけっこ!」
“おばちゃん”とは、売店のひとのことだ。
そう言うと、半分に割って、くれた。
「ありがと。」
へにゃっと笑うと私は愛乃を撫でる。
「あやめー!」
愛乃は私の名前を呼んで喜ぶ。
< 3 / 52 >

この作品をシェア

pagetop