天界の花嫁さま。

「待ちたまえ」



「!!??」



いきなり重低音。

思わず振り返ると、そこには黄金の髪をなびかせた男性がー。



「…き…

 きゃぁぁああああああ…っ!!!」



大きな悲鳴をあげると、下からママが物凄い勢いで階段を駆け上ってきた。


「どうしたのっ、紫乃!?」


「……あ……マ…ママ…、
…あ…ぁあそこに……へへ変な男が…っ!!」


あまりの怖さに片手で目を隠し、もう片方の指で男の立っていた場所を指し示す。


「……?紫乃、具合でも悪いの?」


「………へ………?」


ママの危機感の無い声に、目を覆っていた手を外すと、そこにはさっきの金髪男の姿などいなかった。


「………
 ……嘘でしょ…」


「まぁいいわ。変な夢でも見てたのかしら?
 具合が悪いなら学校に連絡しておくから、
 落ち着いたら朝食だけでも食べに下りてきなさいね。」


ママは優しくそう言うと、安堵した様子で1階へと下りていった。



……



(…まさか…
 本当に夢だったっていうの…?)

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