小児病棟
「はあい、じゃあ、終わった人から順番に持っていって」

食事が終盤に差し掛かると、看護婦さんが薬の入ったワゴンを引いて食堂の入口にやってくる。
例の薬タイムである。

「はい、加藤君は、これとこれね」

「はあい……」

食事が終わると、各自それぞれ病室に戻り、消灯時間までは自由となる。しかし、宿題や歯磨き、更に乾布摩擦、と、結構やることが目白押しだ。

九時になると、天井に埋め込まれたスピーカーから、消灯時間を告げる音楽が流れる。これが流れると、各部屋は電気を消し、子供たちはベッドに入らなければならない。

「さてと……寝るか……」

正哉も、ベッドに入り、目を閉じた。

こうして小児病棟における子供たちの一日が終わるのである。
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