小児病棟
婦長は、そんな子供たちをざっと見渡して言った。

「みんな、目を閉じて……心の中で、ちょっとだけ塩原君にお別れを言ってあげて……」

みな、婦長の言葉にうなづき目をつぶる。食堂の空気はピーンと張り詰めた。
正哉も塩原君の顔を思い返していた。わだかまりもなにもなく、ただただ塩原君の顔だけが浮かんできて、自然と涙が溢れてきた。
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