小児病棟
「ほんとだよ! 不公平だぜ」

悟は、そう怒りをあらわにした。そんな会話を聞きながら正哉は

――ここの人達、どんな病気なんだろう……

と、考えていた。

廊下からのぞいてもほとんどのベッドはカーテンで隠されている。たまに廊下ですれ違うのはパジャマ姿の男性ばかり、みな一様に点滴をつけたまま点滴台を引いて歩いていた。

廊下には酸素ボンベや点滴の入ったワゴンが無造作に置かれている。それは、まるでいつ緊急事態が起こってもすぐさま対処できるよう、用意されているかのようである。

更に奥へ進むにつれ、消毒の匂いが徐々に強くなっていった。
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