小児病棟
「ほんと、つまんないな……」

正哉は内心、ホッとしていた。だが、ここでもまた強がりをはき、裕二と慶一の手を引き悟の後ろについていった。

やがて四人は階段にたどり着く。悟はさっさと上に上がっていった。それに続き、裕二と慶一も階段を登っていく。正哉はふと、上に上がる前にもう一度霊安室のほうを見て思った。

「――あれは本当に霊安室だったのかな……この暗い通路を、死んだ人が運ばれていくのかな……」

そう思い、階段を登ろうとした瞬間、さきほどの鉄の扉のほうからバタンと閉まる音がした。

正哉は一瞬振り返ったが、すぐに振り向いて階段を登り始めた。途中、階段の踊り場でふと壁の絵を見ると、さきほど確かに見た馬の姿はなく、ただの殺風景な大地の風景だけがこちらを見ていた……
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