続・危険なアイツと同居生活






もみくちゃになりながら、必死で碧を感じた。

最前列にはいけなかったけど、すごく近くであなたを感じた。

その息づかい、その表情があたしを狂わす。





演奏が終わると、




「碧ー!」




ラブコールの嵐。




「お前ら、クリスマスなのに来てくれて、ありがとう!」




観客に向かって叫ぶ碧。

一斉に沸き立つ観客。




「碧ー!彼女は?」




なんて声も上がる。

その声を聞き、ふっと顔を緩める碧。




「彼女?

あいつも来てんじゃね?」



「おめでとー!」




会場から別の叫び声が聞こえる。





あぁ……何だか嬉しいよ。

あたしなんてファンの敵なのに。

それに、みんなの前でそんなことを言われて。





「彼女も大切だけど、お前らも大切だ。

今日は盛り上がるぞ!」




その言葉に、会場中が沸き立った。





あぁ、何この一体感。

Fってすごいな。

ライブに行くたび引き込まれてしまうよ。

ほんとに……

ほんとに大好き!




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