あなたへ

beginning

ものすごい疎外感でいっぱいのあたしは、あの桜の木を見ながらぼんやりしていた。


「ホームルーム始めるぞっ!」

いつの間にか教壇に立っていた先生が大きな声で話しだした。

「俺の名前は福島伸夫だ。これから一年間よろしくな!これから、このメンバーでやっていくわけだからお互いの事を知っておくのも大事だ。ということで、今日のホームルームは自己紹介だ!」


はぁ…、あたし自己紹介は苦手。というか好きじゃない。

別に話すこともないし、皆に知っておいて欲しいこともない…。

むしろ、あたしに関しては知らないで欲しいことの方が多い。


知らないで欲しいことを知られてしまったら、皆はあたしを嫌いになると思うから…。

嫌われて辛い思いをするくらいなら、初めから友達はいらない。

失うことが恐いんだ…
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