女装趣味とヘタレと同級生


キンコンカンコンとチャイムが鳴る。


「じゃあ気をつけて帰れよ」


先生のその一言で一日の学校生活が終了した。


「んーおわったー」


腕をぐーっと伸ばし持って帰る物を鞄に詰める。


「よし部活行こう」


そう言いながら教室から出ようとすると後ろから呼びかけられた。


「美夜っち」


呼びかけに振り向くときーちゃんが急いで帰り支度をしている。


「俺も一緒に行くから待ってて」


それだけ言うと机の方に視線を戻した。

すぐに準備を済ませると、あたしの方へと歩いてくる。


「行こうぜ」

「先行ってていいよ、あたし職員室寄るから遅くなるし」

「じゃあ一緒に」

「練習遅れると先輩にまた起こられるよ」


“行く”と続けられるはずの言葉をあたしは遮った。

【先輩】という単語にピクリと肩を跳ねさせたきーちゃん。

「ちぇー」っとふてくされながらも「解った」と部活に向かった。


< 3 / 17 >

この作品をシェア

pagetop