臆病な恋


バドミントン部の彼は、体力づくりで校庭を走っていた。





「あー、可愛いなぁ」



雪音のにやけは止まるどころか勢いを
増していた。





「そーいえば、そろそろ体育祭の練習
始まるよね」





「あー……そ、うだね…」




曖昧な返事が気になり



「どーかした?」



と、瑠佳が聞く。少し渋っていた雪音が



「思い出すんだよね、
………体育祭の時期になると」




「何を?」








「………初恋のこと」




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