殺戮都市
「じゃあ、誰に見つかっても松田に知られるかもしれないって事ですよね。話し合いをしようとしても、襲われたら反撃しなきゃならないし、部下が殺されたと分かれば、穏やかな話し合いにはならないんじゃないですか?」


「元より俺は話し合いなんてするつもりはないからな。松田を殺す。端末を破壊して、二度と生き返られないようにするのが目的だからな」


中川はそのチャンスを伺っていた。


そこに俺達が来て、革命のチャンスが到来したと思っているのだろう。


俺はそんな信用出来ないやつを仲間にはしたくない。


ナイトを単騎で倒せるやつがいれば、心強いとは思うけど……いつ、背後からバッサリ行かれるか分からないのは怖いから。


問題は恵梨香さんだ。


元恋人、それもこの街に来て別れたと、話を聞いてそう判断した。


だったら、元の世界だと優しい恋人だったのかもしれない。


その為に……一緒に元の世界に戻る為にバベルの塔を目指しているとしたら。


この時点で、三者三様の意見を持っている事になり、纏まらない可能性だってあるのだ。


恵梨香さんの言葉一つで、中川との利害関係が一致するかどうか、決まってしまうのだ。
< 453 / 845 >

この作品をシェア

pagetop