殺戮都市
次に俺の意識が戻った時、そこは学校じゃなかった。


黒い部屋に、なぜか立っていて……辺りを見回すと、俺の他にもう三人の人の姿。


一度だって会った事もない、年齢も性別もバラバラな人達。


その中の一人が目を開け、驚いたように辺りを見回す。


「は!?な、何だよここは。俺は事務所にいたはずだぞ!」


見るからにガラの悪そうな、街のチンピラと言った様子の人。


出来るなら関わり合いになりたくないタイプだ。


その声で、残る二人も目を覚ます。


身長170センチの俺の、アゴくらいの身長しかないロングヘアの可愛らしい女性と、絵に描いたようなバーコードヘアの中年のおっさん。


「ああ?何だよお前ら。ここがどこか教えろや」


上から睨み付けるようにチンピラが見下ろすけれど、俺に分かるはずがない。


それは、この二人も同じなのだろう。


「何よここ……部屋にいたはずなのに」


「あれ!?ここはトイレじゃ……ないよね」


チンピラの質問に答える余裕もないみたいで、黒い部屋の中をキョロキョロと見回している。


黒い部屋……そう、暗いわけじゃない。


「おい!無視してんじゃねえよ!」


誰にも相手にされないチンピラが吠えたその時だった。
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