殺戮都市
「理沙!ちょっと来い!」


友達と話している理沙を引っ張り、廊下に連れ出した俺は、階段の前で肩を掴んで睨み付けた。


「お前!今、あの街の招待状送っただろ!」


外部から受信したのであれば、ただの偶然という事になるけど、この人数が少ない教室で、俺だけじゃなく他のやつにまでメールが届いたというのは偶然とは思えない。


「見てたの?そう。でも私だけじゃないよ。昨日までの『真治』も、何人かに送っていたみたいだけど」


俺が?


いや、俺じゃない別の何かが送っていた。


そうやって、自分の身の回りにいるやつをあの街に送り続けているわけか。


だとすると……もしかしてあの街への招待状を送ったのは……。


「お前が俺にメールを送ったのか?」


俺がそう尋ねると、理沙は微笑んで答えた。














「ええ、そうよ。真治が一番私の近くにいた人だったから。だけどそれがどうかした?私が許せない?」














許すとか許せないとかどうでも良い。


今ここでこいつを殴っても、周囲から見れば女子を殴っただけにしか映らない。


それに……身体は理沙のものなのだから。


俺が望む事は一つだった。
















「俺に……もう一度招待状を送れ!!」








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