フシギな片想い


「いいよ、真央、その下ロンTだけじゃん。風邪ひくよ」


遠慮するものの、「うるせぇな、黙って着ろ」とぶっきらぼうな言い方をして、パーカーを無理矢理渡すと、さっさと背を向けてしまった。


仕方ないので、真央のパーカーを着こみ、フードもかぶった。


「ありがとう、じゃあ、また、あとで」


真央の後ろ姿に声を掛ける。


それと・・・と付け足して、


「お前じゃないよ、美雨・・・」


少し拗ねたような言い方になってしまった。聞こえなくてもいいしと尻つぼみに告げた。


真央はコンビニの扉の前でぴたりと立ち止った。


こちらを振り向くかと思ったら、そのまま店内に消えて行った。


まぁ、いいか


私は暗闇だけの夜空を見上げてそう思った。


ほんの少しだけ、真央の好感度が上がった。


先入観だけで、苦手意識を持った自分を反省する。話をしてみて解ることもある。


手の平まですっぽりと覆う真央のパーカーは私には大きかった。


玲央さんよりは小柄なのに、やっぱり男の子なんだなぁと実感する。


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