キミの事なんか、大嫌いだ
4月

こんな朝を続けて12年

ピピピッ…!



「ん〜…」



まだ眠いなぁ…

なんて思いながら、
ベッドから降りてリビングへと向かった。



「お母さんおはよ」

「おはよう〜…アンタ、髪ボサボサよ」

「わかってる!」



確かに髪を触ると、
爆発したかのようにボサボサだった。



「今日から高校2年生でしょー。しっかりしなさいな」

「もう!わかってるってば!」



もう…
お母さんったらうるさいなぁ。


鏡の前で髪をクシでとかし、
少しでも可愛く、綺麗になろうとした。




「無理無理、そんなんじゃ、男一匹も寄って来ねーよっ」




カッチーン


また朝からコイツか…!
頭にくるなぁ…


私の後ろに立っていたのは、
サラサラの茶髪をした、見た目だけはカッコイイ…

私の、幼馴染。



名前を、月村龍也

12年前、私の家の隣に引っ越して来て以来、
家族ぐるみでの付き合いがある。


…けど




「アンタねぇ!毎朝毎朝、私の家にあがらないでくれる?!」

「だってオバさんがご飯作ってくれるんだもーん」




私はコイツが大嫌い。
嫌いになった理由は、とうの昔に忘れた。






「自分で作りなさいよ!」




龍也の両親は、共に海外に単身赴任。
龍也は実質一人暮らし。

だから、朝ごはんは私のお母さんが作ってあげるのが恒例になっていた。




「お前…オレが作れると思ってんの?」

「いや全然」

「だろ」




あー…もう!
また龍也のペースに持ってかれちゃう。



「二人ともー、朝ごはん出来たわよ〜」

「やったオバさんのご飯ー!」



ご飯の為にダッシュするとか…子供か。



「はぁ…今日も疲れる朝になっちゃったなぁ」


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