恋の神様はどこにいる?

一回目のキスの時もそう。私の意思は全く関係なく、いきなりキスをしてきて。あのキスにどんな意味があったのか? 未だにわかっていないのに、今はこんな濃厚なキスを私に与えてくる。

志貴は“罰”という名目なら、好きでもない子にこんなキスができちゃうの?

それとも志貴は、もしかして私のこと……。

なんて、次第に息が苦しくなってきて酸素が足りなくなってきた脳は思考能力が鈍り、自分に都合のいいことを考え始めてしまう。

“罰”が終わったのか、志貴の唇が名残惜しそうにゆっくりと離れていく。最後に「チュッ」と音を立てて離された唇はしっとりしていて、まるで自分のものではないような痺れが残っていた。

まだ志貴の顔は近くにあって、なんだか目を合わせにくい。

少し俯いたまましばらくじっとしていると、志貴は私の耳元に顔を寄せた。

「巫女」

「え?」

「巫女になるんだよな?」

それはまるで、懇願されているようで。志貴の吐息を耳に感じ身体の奥まで蕩けてしまった私は、黙ったまま一度だけコクンと頷いた。

「了解。じゃあ明日十時、社務所に来い。一応、面接しなきゃいけないからな」

「うん、わかった」

私がそう答えると志貴は「よし」と言って私の頭をぽんとひと撫でし、元の場所に戻っていった。



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